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スタッフの古閑森です。
「リムブレーキとディスクブレーキって結局どっちが良く止まるのか?」
これは各種SNSを見ても論争が絶えませんね。
メーカーであるSHIMANOさんに直接伺ってみましたとこと
【・減速の初動・速度調整・停車等、ブレーキに関する全ての動作においてディスクブレーキの方が優れています。ストッピングパワーに関してもディスクブレーキの方が強いです。】と正式回答がありました。
コンポーネントの根源的存在のSHIMANOさんの正式回答なのでこれ以上私が申し上げる事はありませんが、あくまで【どっちが良く止まるのか?】という質問に対する答えであり【どちらが貴方にとってベストなのか?】や【リムブレーキでは不十分なのか?】は別の問題です。
リムブレーキ VS ディスクブレーキ論争には色々なご意見があると思います。
私個人の意見を許されるならば、「自分の好きな自転車に乗ればいいんじゃない?他人の事をとやかく言う必要は無いと思う」この一言に尽きます。
確かに輪行とか考えるとリムの方が面倒じゃないと感じますし、リムで十分止まれる体重と速度での使用であればディスクブレーキは不必要という意見も理解できます。
しかし、SNSを見ていると【制動力】に関する論争ばかりが目立つ事に違和感を持っております。
是非この機会に【ディスクブレーキが自転車にもたらした影響】について考えてみませんか?
スタッフ古閑森の自転車考察コーナー♪
自転車が「止まる」を科学する
自転車を停止させる
言葉で言うと簡単ですが、単純にブレーキのストッピングパワーだけが停止させる要因ではありません。
よく考えてみましょう!ブレーキはホイールの回転を止める役割であって、あくまで自転車を停止させるのは【タイヤと路面の摩擦抵抗】です。
※氷の上でブレーキかけても、ホイールは停止しているのに自転車は氷の上を滑って停止しませんよね?
ブレーキの制動力に関する論争へ違和感はまさにそこなんです。
逆に言えば【タイヤのグリップ力を超える制動力があってもホイールがロックして落車するだけ】なのです。
理論上は【タイヤが25C以上の場合は太ければ太いほど路面との摩擦抵抗が増すので、自転車は早く停止する事が可能である】これはリムブレーキかディスクブレーキかは関係なく両方に共通して言える事です。
※空気圧等の諸条件は同一として。
そこで改めて考えてほしいのが【リムブレーキとディスクブレーキって、どっちが良く止まるのか?】の条件にタイヤ幅とか抜きにして考えてませんか?って事なんです。
リムブレーキだと、大半は25Cで少数の28Cか、逆に23C以下だと思います。
ディスクブレーキはどうでしょう?現行モデルで言えば28Cが主流で、一部レースモデル完成車がクリンチャー25Cを履いているかな?くらいです。むしろエンデュランスモデルだと32Cなんて事も多く、チューブレスにおいては25Cが圧倒的に少数派になるほどタイヤ幅は太くなって行ってます。
確かにディスクブレーキの方が良く止まりますが、それは【ディスクブレーキの方が制動力が強いから】だけではなく【ディスクブレーキモデルの方が、より太いタイヤを履いているから強力な制動力を活かせる】という要素を忘れてはいけません。
じゃあリムブレーキモデルもタイヤを太くすれば、より止まるようになるのでは?
その通りです。しかし太くできるタイヤサイズには限界があり、それこそがディスクブレーキ化への答えでもあります。
リムブレーキモデルはご覧の通り【太いタイヤが入るクリアランス】がありません。
一方でディスクブレーキモデルはご覧の通りのクリアランスです。
比較的余裕がありそうなリアタイヤのクリアランスですが…これでも30Cは無理でしょう…
ディスクブレーキモデルは言うまでもありません。
ディスクブレーキ化がもたらしたホイールへの影響
※ワイドリム断面イメージTREK Aeolusホイール
ご存知の方も多いと思いますが、近年のリムはワイド化&軽量化しております。
ロードバイクがディスクブレーキ化する事で最も進化したのはホイールだと言えます。
ブレーキでリム面を消耗する事も無ければ、ブレーキに耐える強度も確保する必要が無くなったので、リム自体の設計の自由度は格段に高まりました。
その他スルーアクスル化による剛性の強化等メリットはたくさん存在します。
忘れてはいけないチューブレスレディの波
ロードバイクの機材進化はレースと共にあり。
ディスクブレーキ化もそうですが、チューブレスレディ(以下チューブレス)も近年のトレンドです。
グランツール等多くのプロはほとんどがチューブレスを使用しております。
チューブレスに関しては、フレームの高剛性化により選手の身体へのダメージが懸念され始め、低空気圧で乗り心地を良くする事が可能なチューブレスが注目されたのは必然だったと思います。
それに伴い、より太く=より乗り心地良くの公式の基、28Cより太いタイヤがプロの中でも盛んに採用されており、30Cが現状プロトンでは市民権を得ているのではないでしょうか。
【チューブレスでより太いタイヤの需要が増える→ディスクブレーキでリムの設計自由度が増えリム内径が幅広くなる→太いタイヤが入るクリアランスの広いフレームが増える】といった相乗効果的な関係が成立します。
そういった意味ではディスクブレーキ化はロードバイクの進化に必要不可欠だったと言えます。
私個人的にはロードバイクディスクブレーキ化のメリットはここに集約されていると思います。
単純に「ディスクブレーキの方が良く止まるから」だけでは無いという事です。
だからと言ってリムブレーキが悪い訳じゃない
ここまでの話しだと【ディスクブレーキの方が優れている】と感じるかもしれませんが、それはロードバイクをどのように使用するか?により話しは変わります。
冒頭にも記載しましたが、ディスクブレーキの方がブレーキ性能が優れている事は確かです。
現に私の様な体重の重いライダーにとってはダウンヒルにおいてディスクブレーキの恩恵は計り知れないほど大きいです。
ですが、逆に体重の軽いライダー(私と比較するとロードバイクに乗っている方の多くがそうだと思いますが…)にとってはそこまでブレーキの効きは関係ない(恩恵が少ない)と言えます。
個人的にはグレードの低いディスクブレーキ(特にSHIMANO以外)よりもリムのデュラエースの方がよっぽどブレーキはよく効くと思いますし、両方使用してみて実感もしています。
※あくまでも私の個人的なブレーキの制動力だけに限定した感覚の話です。
そもそも自転車という乗り物がこの世の中に誕生してから、ほんの数年前までは全てリムブレーキだったのに、ディスクブレーキが登場した瞬間にリムブレーキがダメなんて話の方が暴論だと思います。
ロードバイクで輪行するならリムブレーキの方がノンストレス♪
これは慣れの問題も大いにありますが、基本的にはリムブレーキの方が楽です。
ダミーローターも必要ありませんし、ひっくり返してエア噛みの心配もありません。
輪行=出先なので、そもそもトラブルは無いに越したことはないですし、トラブル発生確率も低いに越したことはないです。
自転車を輪行しての旅はワクワクしますが、ディスクブレーキだとどうしても「大丈夫だろうか?」と心配する心的ストレスが多くなるのも事実です。
せっかくの旅ならノンストレスが好ましいですね♪
自分でメンテするならやっぱりリムブレーキの方が楽ちん♪
保安部品であるブレーキはしっかりとメンテナンスして乗りたい所ですが、ディスクブレーキはそう簡単には行きません。
ブレーキパッド交換でも単純にパッド入れ替えて終了って訳ではありません。
出てしまったピストンを戻すだけでも専用工具が必要ですし、オイルの内圧の関係上ディスクブレーキブリードキットも必要になります。
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その点リムブレーキならばアーレンキーさえあれば交換作業も比較的簡単に行えます。
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あっ私が個人的に使用しているアーレンキーはこちら
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過トルクになりすぎると工具側が負けてくれるのでネジやフレームの破損を防ぎやすいのでオススメですよ♪
リムブレーキとディスクブレーキは共存可能なのか?
可能とも不可能とも言えます。
冒頭でも申しましたが、個人で何の自転車に乗ろうが、それは個人の自由なので、街中ではリムモデルもディスクブレーキモデルも混在しますので、事実上共存しています。
混在してしまうと発生する問題とは?
リムブレーキとディスクブレーキが共存すると危険な場合も少なからず存在します。
特にレースシーンでは他者との距離が極端に近い団子状態の集団が形成されますので混在すると危険な場合が2点あります。
1・制動力が違うとブレーキポイントが変わる
コーナー前のブレーキポイントが変わると追突してしまったり、ホイールをハスったりする可能性があります。
2・緊急時の制動力が違う
何らかの理由で緊急停止(回避)をする際に制動距離の違いで追突してしまったり、ホイールをハスったりする可能性があります。
上記2点に関しては体重や運転の熟練度により変化しますので一概には言えませんが、共通して言えるのは【制動距離】の問題です。
逆に言えば制動距離が問題になりにくい環境においては共存可能な事を示しております。
総論
自分のライディングスタイルにあった好きな自転車に乗りましょう♪
ワイズロード福岡天神店ではディスクブレーキからリムブレーキモデルまで幅広いラインナップの在庫をご用意しております。
ご来店お待ちしております。